WordPress 7.1 / 7.1.3・7.1.4の新機能と更新内容まとめ|ブラウザ内画像処理・新ブロック・セキュリティ修正を解説

WordPress 7.1 / 7.1.3・7.1.4の新機能と更新内容まとめ アイキャッチ画像

WordPressを運用していると、「現在の最新バージョンはどれなのか」「メジャーアップデートのWordPress 7.1で何が変わったのか、その後の7.1.3や7.1.4にはどんな修正が含まれているのか」と気になる場面が多いのではないでしょうか。

2026年8月に公開されたメジャーリリース「WordPress 7.1(コードネーム:Mary Lou)」では、画像の圧縮やリサイズを訪問者・投稿者のブラウザ側で行う「ブラウザ内メディア処理」をはじめ、標準の「Tabs(タブ)ブロック」「Playlist(プレイリスト)ブロック」、CSSを書かずにPC・タブレット・スマホ別のデザインを調整できる「デバイス別レスポンシブスタイル」など、実務に直結する大型機能が数多く導入されました。

さらに2026年10月には、重要なセキュリティ修正を含むメンテナンスリリースとして「WordPress 7.1.3(10月6日公開)」および「WordPress 7.1.4(10月28日公開)」が相次いで提供されています。本記事では、WordPress 7.1シリーズの主要新機能から、7.1.3・7.1.4で修正された脆弱性の要点、安全にアップデートするための確認手順まで図解を交えて分かりやすく解説します。

あわせて読みたい(WordPressのバージョン確認とセキュリティ対策)

現在運用しているサイトのWordPress・PHPバージョンを調べる手順は「WordPressとPHPのバージョンを確認する方法|管理画面「サイトヘルス」の見方を詳しく解説」、PHPの脆弱性対策については「PHPの重大な脆弱性がWordPressに与える危険性と今すぐ行うべき緊急対策(2026年10月)」もあわせてご覧ください。

WordPress 7.1シリーズの全体像と7.1.3・7.1.4の位置づけ

まずは、現在の最新メジャー系列である「WordPress 7.1」がどのようなスケジュールで進化し、10月にリリースされた「7.1.3」「7.1.4」がどのような役割を持っているのかを整理しておきましょう。

WordPress 7.1から7.1.3、7.1.4までのリリース流れと各バージョンの位置づけを示した図解イラスト
2026年8月の大型アップデート「WordPress 7.1」をベースに、10月にはセキュリティと安定性を高める「7.1.3」「7.1.4」が順次公開されている

WordPressのバージョン番号は、最初の2桁(7.1)が新機能を追加する「メジャーリリース」を表し、3桁目の数字(7.1.3 や 7.1.4)が不具合の解消やセキュリティ脆弱性の修正を行う「マイナーリリース(メンテナンス・セキュリティリリース)」を表します。

バージョン 公開日 リリースの種類 主な変更・修正のポイント
WordPress 7.1 2026年8月19日 メジャーリリース ブラウザ内メディア処理、Tabs・Playlistブロック追加、端末別レスポンシブスタイル、Notes機能の強化
7.1.1 / 7.1.2 2026年9月17日・22日 保守・セキュリティ更新 コアおよびブロックエディターの初期不具合38件の修正と、テーマプレビュー等のセキュリティ修正
WordPress 7.1.3 2026年10月6日 保守・セキュリティ更新 7件の脆弱性(コメント管理画面のXSS、非公開投稿コメントの漏洩、WXRエクスポートのSQLi等)と4件の不具合を修正
WordPress 7.1.4 2026年10月28日 緊急セキュリティ更新 22件の脆弱性(更新処理中の競合によるRCEリスク、Interactivity APIやブロックの格納型XSS等)を修正

ブラウザ内メディア処理による高速化とAVIF・HEIC対応

WordPress 7.1における最も大きな技術的進化が、画像アップロード時の処理をサーバー側からブラウザ側へ移行した「ブラウザ内メディア処理(クライアントサイドメディア処理)」です。

従来のサーバー側画像処理とWordPress 7.1のブラウザ内メディア処理の仕組み・メリットを比較した図解イラスト
重たい画像変換処理をWebブラウザ内で完結させてからサーバーへ送るため、アップロード失敗が減りサーバー負荷も大幅に下がる

WebAssembly(wasm-vips)でサーバーのメモリ不足エラーを回避

従来のWordPressでは、スマートフォンやデジタルカメラで撮影した数MB〜十数MBの写真をそのままサーバーへアップロードし、サーバー上のPHP(ImageMagickやGDライブラリ)が複数サイズのサムネイル生成や圧縮処理を行っていました。そのため、共有レンタルサーバーなどで複数枚の写真を同時に入稿すると、PHPのメモリ上限やタイムアウトに達して「画像の後処理に失敗しました」というエラーが出やすい課題がありました。

WordPress 7.1では、WebAssembly技術(wasm-vips)を活用し、管理画面を開いているパソコンやスマートフォンのWebブラウザ内で画像のリサイズ・圧縮・回転補正・サムネイル生成を済ませてから、軽量化されたファイルだけをサーバーへ送信します。これにより、サーバーのCPU・メモリ負荷が劇的に軽減され、サーバー環境に左右されない安定した入稿が可能になりました。

AVIF・HEIC・UltraHDRへの標準対応

クライアント側でのメディア処理基盤が整ったことで、次世代の画像フォーマットへの対応も強化されています。

  • AVIF形式の生成と最適化:WebPよりもさらに高い圧縮率を持つ「AVIF」への自動変換・出力がブラウザ側でスムーズに行えるようになり、Core Web Vitals(LCP:最大視覚コンテンツの表示時間)の改善に直結します。
  • iPhone写真(HEIC形式)の直接入稿:iPhoneやiPadで撮影したHEIC画像を、サーバー側のImageMagick拡張の有無を問わずブラウザ内で自動変換してそのままアップロードできます。
  • UltraHDR(Gain Map)情報の保持:最新のスマートフォン等で撮影されたHDR写真の輝度情報(ゲインマップ)を損なわずに扱えるサポートも追加されています。

表現力と共同作業を高める新ブロックとエディター機能の進化

日々の記事執筆やLP(ランディングページ)制作で役立つブロックエディター(Gutenberg)周りでも、これまで外部プラグインやカスタムCSSに頼っていた機能がWordPressコアに標準実装されました。

WordPress 7.1で追加・強化された4つの編集機能(Tabsブロック・Playlistブロック・端末別スタイル・Notes機能)の図解イラスト
従来は専用プラグインや自作CSSが必要だったタブ切り替え・音声リスト・端末別スタイル指定が標準機能だけで完結する

情報をすっきり整理できる「Tabs(タブ)ブロック」

新しく追加された「Tabs(タブ)ブロック(core/tabs)」を使うと、1つの領域内でクリック切り替え式のタブパネルをノーコードで配置できます。たとえば「Windows向け手順 / Mac向け手順」の切り替えや、料金プランの比較、製品スペック・よくある質問(FAQ)の整理など、縦に長くなりがちな記事をコンパクトで見やすいレイアウトにまとめられます。

音声やポッドキャストを波形付きで並べる「Playlist(プレイリスト)ブロック」

音声配信や教材サイトで重宝するのが「Playlist(プレイリスト)ブロック(core/playlist)」です。複数の音声トラックを1つのプレーヤーにまとめて順番に再生できるほか、再生中の音声波形(ウェーブフォーム)を視覚的に表示するデザインや配色もエディターのサイドバーから自在にカスタマイズできます。

CSS不要で指定できる「デバイス別レスポンシブスタイル」とホバー設定

これまでのWordPress標準エディターでは、「パソコン表示では余白を広くとり、スマートフォン表示では余白を詰める」といった微調整を行う際に、追加CSSでメディアクエリ(@media)を書く必要がありました。

WordPress 7.1では、エディター上部のプレビュー切り替え(デスクトップ/タブレット/モバイル)とスタイル設定が連動し、選択中の端末ビューごとに異なる余白・文字サイズ・配置をGUI操作だけで個別に保存できるようになりました。また、ボタンやリンクにマウスカーソルを乗せたとき(:hover)やフォーカス時(:focus)の色・枠線変化も、CSSコードなしで視覚的に設定可能です。

@メンションと選択文字単位のスレッドに対応した「Notes(ノート)機能」

複数人での記事制作・校閲ワークフローを支援する「Notes(ノート)機能」も大きくアップグレードされました。

  • 選択したテキスト単位でのコメント付与:ブロック全体だけでなく、文章中の特定の語句や一文をドラッグ選択してピンポイントに修正相談やメモを残せます。
  • @メンションによる担当者通知:Googleドキュメントのように @ユーザー名 を入力して特定の執筆者・編集者をメンションし、メール通知を送ることができます。
  • リッチテキスト&スレッド返信:ノート内で太字やリンク、インラインコードを使ったやり取りができ、解決済みの指摘をスレッド単位で整理できます。

WordPress 7.1.3および7.1.4のセキュリティ・メンテナンス修正内容

WordPress 7.1の公開後、2026年10月には重要なセキュリティ修正を含む「WordPress 7.1.3(10月6日公開)」と「WordPress 7.1.4(10月28日公開)」がリリースされています。7.1系を利用しているサイトでは、これらのマイナーアップデートを適用して最新の状態に保つことが不可欠です。

WordPress 7.1.3および7.1.4の主なセキュリティ修正内容と安全なアップデート手順の図解イラスト
10月6日公開の7.1.3に続き、10月28日には22件の脆弱性を修正する7.1.4が公開されており、早めの更新確認が推奨される

WordPress 7.1.3(2026年10月6日公開)の主な修正点

2026年10月6日にリリースされたWordPress 7.1.3は、7件のセキュリティ脆弱性修正と4件のバグ修正を含むメンテナンス&セキュリティリリースです。主に以下のようなリスクが解消されています。

WordPress 7.1.3 で修正された主なセキュリティ項目(計7件)

  • 非公開・未公開投稿のコメント閲覧問題:認証を行っていない第三者が、特定の条件下で非公開記事や下書き記事に紐づくコメントを読み取れてしまう情報漏洩の脆弱性を修正。
  • コメント管理画面における格納型XSS:承認待ちコメントの表示処理を介して管理画面上で不正なスクリプトが実行されるおそれがあるクロスサイトスクリプティング(XSS)を修正。
  • WXRエクスポート機能における二次SQLインジェクション:標準のエクスポートツールでXMLデータを書き出す際のデータベースクエリ処理を安全化。
  • WP_Http::make_absolute_url() におけるDoS対策:細工されたURLの処理によってサーバーに過度な負荷がかかるサービス拒否(DoS)リスクを解消。
  • 権限境界および埋め込み処理の修正:「投稿者(Author)」権限のユーザーが本来許可されていない「投稿の先頭固定表示」を行えてしまう問題や、Imgur埋め込み時のXSS等を修正。

WordPress 7.1.4(2026年10月28日公開)の緊急セキュリティ修正

7.1.3の公開から約3週間後の2026年10月28日には、さらに合計22件の脆弱性に対処する「WordPress 7.1.4」がリリースされました。管理画面が「7.1.3」のままになっている場合は、最新の「7.1.4」へアップデートしておく必要があります。

WordPress 7.1.4 で修正された主な重要項目(計22件)

  • コア更新処理中の競合状態(Race Condition)の修正:WordPress本体のアップデートでファイルを展開・置換するごく短い時間窓を突かれ、リモートコード実行(RCE)につながるおそれがあった高リスクな脆弱性を修正。
  • Interactivity API・各種ブロックの格納型XSS対策:Interactivity API、ブロックマークアップ、カテゴリーブロック、Playlistブロック、画像ブロックなど複数箇所のXSS脆弱性を一括修正。
  • 未公開のカスタマイザー変更セットの保護:認証なしで未公開のカスタマイザー下書き設定が検出される問題を修正。
  • 投稿ノート(Notes)の閲覧権限チェック強化と同梱ルート証明書の更新:該当記事の編集権限を持たないユーザーによるノート閲覧を防止し、最新のSSLルート証明書バンドルへ更新。

安全に最新バージョンへアップデートするための確認手順

WordPress 6.x系や7.0系から7.1系(最新の7.1.4)へメジャーアップデートを行う場合や、自動更新が停止していて手動で7.1.3・7.1.4へ引き上げる場合は、トラブルを防ぐために以下の手順で確認を進めましょう。

アップデート前後のチェックリスト

  • 現在のバージョンを「サイトヘルス」または「更新」画面で確認する:管理画面の「ダッシュボード > 更新」を開き、現在のバージョンが 7.1.4 になっているか確認します(マイナー自動更新が有効なサイトでは、7.1.3から7.1.4へ自動適用されている場合もあります)。
  • データベースとファイルのバックアップを取得する:特に6.x系や7.0系からのメジャーアップデート時は、万が一のプラグイン競合に備えてサーバーの自動バックアップ機能やプラグイン(UpdraftPlus等)で復元ポイントを作成しておきます。
  • PHPバージョンと主要プラグインの更新を確認する:WordPress 7.1系を快適かつ安全に動かすため、PHP 8.2〜8.3以上での運用が推奨されます。また、使用中のテーマやSEO・キャッシュ・セキュリティ系プラグインを先に最新化しておくと安心です。
  • 更新後に表示崩れや画像アップロード動作をテストする:アップデート完了後、トップページや記事ページの表示確認に加え、メディアライブラリへテスト画像を1枚ドラッグ&ドロップしてブラウザ内メディア処理が正常に動くか確かめておきましょう。

SSHやターミナルからWP-CLIを使って複数サイトのバージョン確認・一括更新を行っている場合は、以下のコマンドで現在のバージョン確認と最新リリースへの更新を実行できます。

# 現在のWordPressバージョンを確認する(7.1.4であれば最新)
wp core version --extra

# データベースをバックアップしてから最新バージョンへ更新する
wp db export backup_before_wp714.sql
wp core update
wp core update-db

まとめ

WordPress 7.1シリーズの主要新機能と、2026年10月に公開された「WordPress 7.1.3」「WordPress 7.1.4」の更新内容について解説しました。最後に重要なポイントを振り返ります。

本記事のポイントまとめ

  • 現在の最新バージョン体系:2026年8月に大型機能アップデートの「WordPress 7.1」が公開され、10月6日に「7.1.3」、さらに10月28日に緊急セキュリティ更新の「7.1.4」がリリースされている。
  • ブラウザ内メディア処理の導入:WebAssembly(wasm-vips)によりブラウザ側で画像の圧縮・リサイズ・AVIF/HEIC変換を行う仕組みに刷新され、サーバー負荷とアップロードエラーが大幅に減少した。
  • エディターとブロックの強化:標準の「Tabs(タブ)ブロック」「Playlist(プレイリスト)ブロック」の追加、CSS不要の「端末別レスポンシブスタイル」とホバー設定、@メンション対応の「Notes機能」など制作効率を高める機能が充実した。
  • 7.1.3 / 7.1.4への早めの更新が重要:非公開コメント漏洩やXSS、更新処理中のRCEリスクなど多数の脆弱性が修正されているため、バックアップを確保したうえで最新の「7.1.4」へ更新しておくことが大切。

まずはご自身のWordPress管理画面(「ダッシュボード > 更新」または「ツール > サイトヘルス」)を開き、最新の7.1系(7.1.4)が適用されているかチェックしてみてください。あわせて新しく追加されたTabsブロックや端末別スタイル調整も、日々の記事作成やページ改善にぜひ役立ててみてください。


eguchi.netをもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。