はじめに

WordPressサイトをLocalで作成していると、次に必要になるのが「本番サイトへの反映」です。
Local上では問題なく表示されていても、そのまま本番サーバーへ反映するには注意が必要です。
特に、Localの画面に表示されている「Push」ボタンを見て、
「これを押せば本番サイトに直接反映できるのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、通常のレンタルサーバーを使っている場合、LocalのPush機能だけで本番環境へ反映できるとは限りません。

結論:一般的なレンタルサーバーなら移行プラグインを使うのが安全
Localで作成したWordPressを本番サイトへ反映する場合、もっとも分かりやすい方法は移行プラグインを使う方法です。
おすすめの流れは次のとおりです。
- 本番サイトをバックアップする
- Local側で移行プラグインを入れる
- Local側からサイトデータを書き出す
- 本番側にも同じ移行プラグインを入れる
- 本番側でインポートする
- パーマリンク、画像、フォーム、SSLを確認する
この方法であれば、ファイルとデータベースをまとめて移行しやすく、初心者でも比較的安全に作業できます。
LocalのPush機能は誰でも使えるわけではない
Localの画面右下には「Push」や「Pull」の表示があります。
この機能は、Localと対応ホスティングを接続して、ローカル環境と本番環境を行き来するための機能です。Local公式では、Local ConnectによってWP EngineやFlywheelと接続し、サイトをPush/Pullできる機能として説明されています。
つまり、Xserver、ConoHa WING、さくらのレンタルサーバ、ロリポップなどの一般的なレンタルサーバーへ、そのままワンクリックで反映できる機能ではないと考えた方が安全です。
そのため、一般的な本番サーバーに反映する場合は、
「LocalのPushを使う」
ではなく、
「移行プラグインで本番へ移す」
または、
「FTPとデータベース操作で手動移行する」
という考え方になります。
反映方法は大きく3つある
方法1:移行プラグインで丸ごと反映する
一番おすすめしやすい方法です。
Local側のWordPressをひとつの移行データとして書き出し、本番側のWordPressに取り込みます。
代表的な移行プラグインには、次のようなものがあります。
| プラグイン | 特徴 |
|---|---|
| All-in-One WP Migration | 初心者でも使いやすい |
| Duplicator | 移行パッケージを作成できる |
| WPvivid Backup | バックアップと移行に対応 |
この方法は、次のようなケースに向いています。
| 向いているケース | 内容 |
|---|---|
| 新規サイト公開 | 本番サイトにまだ記事や問い合わせ履歴が少ない |
| サイト全体の作り替え | Localで作った内容に丸ごと差し替えたい |
| テーマ、設定、投稿も含めたい | デザインだけでなくデータベースも移したい |
ただし、本番サイトの内容を上書きする可能性があるため、必ず事前にバックアップを取ってください。
方法2:Localのエクスポート機能を使う
Localにはサイトをエクスポートする機能があります。Local公式でも、サイトファイルとデータベースを含めた形でエクスポートできると説明されています。
Localのサイト名を右クリック、またはメニューからエクスポートを選ぶことで、サイトデータをZipファイルとして書き出せます。
ただし、このZipファイルをそのまま本番サーバーにアップロードすれば完了、というわけではありません。
本番サーバーへ手動で反映する場合は、次の作業が必要になります。
| 作業 | 内容 |
|---|---|
| ファイル移行 | wp-contentなどを本番へアップロード |
| データベース移行 | SQLデータを本番DBへインポート |
| URL置換 | tempjp.localなどを本番URLへ置換 |
| 設定確認 | wp-config.phpやパーマリンクを確認 |
手動移行は自由度が高い反面、失敗するとサイトが表示されなくなるリスクがあります。
初心者の場合は、Localのエクスポートファイルを直接扱うよりも、移行プラグインを使う方が安全です。
方法3:テーマやプラグインだけFTPで反映する
本番サイト全体を置き換える必要がない場合は、FTPまたはSFTPで必要なファイルだけアップロードする方法もあります。
たとえば、LocalでテーマのCSSやテンプレートだけを修正した場合、本番に反映するのはテーマフォルダだけで済みます。
主なアップロード対象は次のとおりです。
| 反映したい内容 | アップロード先の例 |
|---|---|
| テーマの修正 | wp-content/themes/対象テーマ |
| プラグインの修正 | wp-content/plugins/対象プラグイン |
| 画像ファイル | wp-content/uploads |
| 独自コード | 子テーマまたは独自プラグイン |
この方法は、次のようなケースに向いています。
| 向いているケース | 内容 |
|---|---|
| デザインだけ修正した | CSSやテンプレートのみ反映したい |
| 投稿データは本番を残したい | 本番の記事やフォーム履歴を消したくない |
| 小さな修正だけ反映したい | サイト全体を移行する必要がない |
一方で、管理画面の設定、投稿、固定ページ、メニュー、ウィジェットなどはデータベース側に保存されているため、ファイルをアップロードするだけでは反映されない場合があります。
Localから本番へ反映する基本手順
1. 本番サイトをバックアップする
最初に必ず本番サイトをバックアップします。
バックアップ対象は次の2つです。
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| WordPressファイル | テーマ、プラグイン、画像、本体ファイルなど |
| データベース | 投稿、固定ページ、設定、ユーザー情報など |
本番サイトを上書きする作業では、バックアップがないと復旧できなくなる可能性があります。
特に、すでに運用中のサイトでは、次のデータが消える可能性があります。
| 消える可能性があるもの | 例 |
|---|---|
| 投稿データ | 本番で追加した記事 |
| 問い合わせ履歴 | フォーム送信データ |
| ユーザー情報 | 会員、管理者、編集者 |
| コメント | 投稿へのコメント |
| プラグイン設定 | SEO、キャッシュ、フォーム設定 |
バックアップを取ってから作業することが最優先です。
2. Local側のサイトを最終確認する
Local側で次の項目を確認します。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| トップページ | 表示崩れがないか |
| 下層ページ | 投稿、固定ページが表示されるか |
| メニュー | リンク切れがないか |
| 画像 | 正しく表示されているか |
| フォーム | 入力欄や送信ボタンがあるか |
| 不要プラグイン | テスト用プラグインが残っていないか |
Local側に不具合がある状態で本番へ反映すると、その不具合も本番へ移ります。
3. Local側で移行データを書き出す
移行プラグインを使う場合は、Local側のWordPress管理画面にログインします。
例:
その後、移行プラグインをインストールし、エクスポートを実行します。
一般的な流れは次のとおりです。
- LocalのWordPress管理画面にログイン
- 移行プラグインをインストール
- エクスポートを実行
- 移行ファイルをダウンロード
このとき、サイト容量が大きい場合はエクスポートに時間がかかります。
4. 本番側へインポートする
次に、本番側のWordPress管理画面へログインします。
本番側にも同じ移行プラグインを入れ、Localから書き出したファイルをインポートします。
基本の流れは次のとおりです。
- 本番のWordPress管理画面にログイン
- 同じ移行プラグインをインストール
- インポート画面を開く
- Localから出力したファイルをアップロード
- インポートを実行
- 完了後に再ログインする
インポート後は、本番側のログイン情報がLocal側の情報に置き換わる場合があります。
たとえば、Local側の管理者ユーザーが「admin」であれば、本番側でもそのユーザー情報に変わることがあります。
5. URLを本番用に置換する
Localでは、サイトURLが次のようになっていることが多いです。
本番では、次のようなURLになります。
このLocal用URLが本番サイト内に残っていると、画像が表示されなかったり、リンク先がLocalのままになったりします。
移行プラグインを使う場合、多くの場合はURL置換も自動で処理されます。
手動でデータベースを移行する場合は、URL置換を慎重に行う必要があります。WordPressのデータベースには特殊な形式で保存されているデータもあるため、SQLファイルをテキストエディタで単純置換する方法は避けた方が安全です。
6. パーマリンクを保存する
本番反映後に投稿ページや固定ページが404になる場合があります。
その場合は、WordPress管理画面で次の操作を行います。
設定
↓
パーマリンク
↓
何も変更せず「変更を保存」
これにより、WordPressのURLルールが再生成されます。
7. キャッシュを削除する
本番サイトにキャッシュ系プラグインやサーバーキャッシュがある場合、反映直後に古い表示が残ることがあります。
確認すべきキャッシュは次のとおりです。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| WordPressキャッシュ | キャッシュ系プラグイン |
| サーバーキャッシュ | レンタルサーバー側の高速化機能 |
| ブラウザキャッシュ | 自分のブラウザに残る古い表示 |
| CDNキャッシュ | Cloudflareなどを使っている場合 |
「反映したはずなのに変わらない」という場合は、キャッシュが原因のこともあります。
本番に上書きしてはいけないファイル
FTPで作業する場合、次のファイルやフォルダは安易に上書きしないでください。
| ファイル、フォルダ | 注意点 |
|---|---|
| wp-config.php | 本番サーバーのDB接続情報が入っている |
| .htaccess | リダイレクトやパーマリンク設定に関係する |
| wp-admin | WordPress本体の管理画面ファイル |
| wp-includes | WordPress本体の共通ファイル |
| WordPress本体ファイル一式 | バージョン違いで不具合が出る可能性がある |
特にwp-config.phpをLocalのものに上書きすると、本番サーバーのデータベースに接続できなくなり、サイトが表示されなくなる可能性があります。
FTPで反映する場合は、基本的にwp-content配下を中心に扱うと考えると安全です。
よくあるトラブルと対処法
画像が表示されない
原因として多いのは、画像URLがLocalのまま残っているケースです。
確認することは次のとおりです。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 画像URL | tempjp.localが残っていないか |
| uploadsフォルダ | 画像ファイルが本番にあるか |
| パーミッション | ファイル権限に問題がないか |
| SSL | httpとhttpsが混在していないか |
投稿ページが404になる
パーマリンク設定を保存し直してください。
設定
↓
パーマリンク
↓
変更を保存
これで直ることが多いです。
管理画面にログインできない
移行後は、Local側のユーザー情報に置き換わる場合があります。
本番で使っていたログイン情報ではなく、Local側で使っていたユーザー名とパスワードを試してください。
サイトが真っ白になる
テーマやプラグインのエラーが原因の可能性があります。
対処法は次のとおりです。
| 対処 | 内容 |
|---|---|
| プラグイン停止 | FTPでpluginsフォルダ名を一時変更 |
| テーマ切り替え | デフォルトテーマに戻す |
| PHPバージョン確認 | Localと本番で差がないか確認 |
| エラーログ確認 | サーバーのエラーログを見る |
インポートできない
移行ファイルの容量が大きい場合、本番サーバー側のアップロード上限に引っかかることがあります。
確認する項目は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| upload_max_filesize | アップロード可能な最大サイズ |
| post_max_size | POST送信できる最大サイズ |
| max_execution_time | 処理の最大実行時間 |
| memory_limit | PHPで使えるメモリ量 |
移行プラグインによっては、容量制限を解除するために有料版が必要になる場合もあります。
既存の本番サイトがある場合は注意
すでに本番サイトで記事更新や問い合わせ受付をしている場合、Localの内容を丸ごと反映すると、本番側の最新データが消える可能性があります。
たとえば、次のようなケースは注意が必要です。
| 状況 | 注意点 |
|---|---|
| 本番で記事を更新している | Localを上書きすると記事が消える可能性がある |
| 問い合わせフォームを運用している | 送信履歴が消える可能性がある |
| ECサイトを運用している | 注文情報が消える可能性がある |
| 会員サイトを運用している | ユーザー情報が変わる可能性がある |
この場合は、Localを丸ごと本番へ反映するのではなく、テーマやプラグインなど必要な部分だけ反映する方が安全です。
初心者におすすめの安全な進め方
初心者の場合は、次の順番がおすすめです。
- 本番サイトをバックアップする
- 可能であればステージング環境を作る
- ステージング環境にLocalの内容を反映する
- 表示や動作を確認する
- 問題がなければ本番へ反映する
ステージング環境とは、本番公開前に確認するためのテスト環境です。
いきなり本番サイトに反映するよりも、ステージング環境で一度確認する方が安全です。
反映後のチェックリスト
本番反映後は、次の項目を必ず確認してください。
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| トップページ | 正常に表示されるか |
| 投稿ページ | 404になっていないか |
| 固定ページ | レイアウトが崩れていないか |
| メニュー | リンク切れがないか |
| 画像 | 正しく表示されているか |
| フォーム | 送信できるか |
| 管理画面 | ログインできるか |
| SSL | httpsで表示されるか |
| スマホ表示 | レスポンシブ対応に問題ないか |
| 表示速度 | 極端に遅くなっていないか |
| キャッシュ | 古い表示が残っていないか |
| SEO設定 | タイトル、ディスクリプション、noindex設定を確認 |
特にnoindex設定は重要です。Localやテスト環境の設定をそのまま本番へ持っていくと、検索エンジンに登録されない設定になっている場合があります。
まとめ
Localで作成したWordPressを本番サイトに反映することは可能です。
ただし、LocalのPush機能はすべてのレンタルサーバーに対応しているわけではありません。一般的なレンタルサーバーを使っている場合は、移行プラグインを使って反映する方法がもっとも現実的です。
重要なのは、次の3点です。
- 本番サイトを必ずバックアップする
- 丸ごと上書きするのか、一部だけ反映するのかを決める
- 反映後にパーマリンク、画像、フォーム、SSLを確認する
新規サイトや作り直しサイトであれば、移行プラグインでLocalから本番へ丸ごと反映する方法が分かりやすいです。
一方、すでに運用中の本番サイトがある場合は、Localの内容を丸ごと上書きするのではなく、テーマやプラグインなど必要な部分だけ反映する方が安全です。
LocalはWordPressの制作や検証に非常に便利ですが、本番反映は慎重に行う必要があります。
「本番サイトを置き換える作業」であることを理解したうえで、バックアップを取ってから進めましょう。
