新規クライアントとの取引開始や業務委託、見積・提案時の情報開示において、適切な法務契約書・各種条項(NDA、覚書、反社条項、個人情報取扱い条項)の準備はリスク回避のために不可欠です。
本記事では、実務でそのままコピペして使える主要法務テンプレート4選と、AIを活用して一括で社名や条件を自動入力させるプロンプト、および法的な導入注意点を詳しく解説します!
秘密保持契約書(NDA)テンプレート
新商品の開発打診や見積依頼、業務提携の検討時など、機密情報を相手に開示する際に締結する標準的な秘密保持契約書です。
秘密保持契約書
開示者【会社名・氏名】を「甲」とし、受領者【会社名・氏名】を「乙」として、以下のとおり秘密保持契約(以下、「本契約」といいます。)を締結する。
第1条(目的)
本契約は、甲乙間における【取引検討・業務提携・見積依頼・共同開発等】に関連して開示される秘密情報の取扱いを定めることを目的とする。
第2条(秘密情報)
本契約における秘密情報とは、甲または乙が相手方に開示する技術上、営業上、財務上、顧客情報、取引情報その他一切の情報をいう。
ただし、以下の情報は秘密情報に含まれないものとする。
1. 開示時点で既に公知であった情報
2. 開示後、受領者の責めによらず公知となった情報
3. 受領者が開示前から正当に保有していた情報
4. 第三者から正当に取得した情報
第3条(秘密保持義務)
乙は、甲の事前承諾なく、秘密情報を第三者に開示または漏えいしてはならない。
また、乙は本契約の目的以外に秘密情報を使用してはならない。
第4条(管理義務)
乙は、秘密情報を善良な管理者の注意をもって管理し、漏えい、紛失、改ざん、不正利用が生じないよう必要な安全管理措置を講じる。
なお、個人データを取り扱う委託においては、委託元が委託先の取扱状況を把握できる安全管理措置を遵守するものとする。
第5条(返還・廃棄)
乙は、甲から求められた場合、秘密情報を記録した資料、データ、複製物を速やかに返還または安全に廃棄・消去するものとする。
第6条(有効期間)
本契約の有効期間は、契約締結日から【期間:例 1年間】とする。
ただし、秘密保持義務は本契約終了後も【期間:例 3年間】存続するものとする。
第7条(損害賠償)
乙が本契約に違反し、甲に損害を与えた場合、乙は甲に対してその直接かつ通常の損害を賠償する責任を負う。
第8条(協議)
本契約に定めのない事項については、甲乙誠意をもって協議のうえ解決する。
【締結年月日:YYYY年MM月DD日】
甲
住所:【所在地】
名称:【会社名】
代表者:【代表取締役〇〇 〇〇】 印
乙
住所:【所在地】
名称:【会社名】
代表者:【代表取締役〇〇 〇〇】 印
覚書(メモランダム)テンプレート
すでに締結済みの原契約に対し、金額・納期・業務範囲などを後から変更・追加する場合に締結する覚書テンプレートです。
覚書
【会社名・氏名】を「甲」とし、【会社名・氏名】を「乙」として、甲乙間において以下のとおり覚書(以下、「本覚書」といいます。)を締結する。
第1条(目的)
本覚書は、甲乙間で締結済みの【原契約書名:例 業務委託契約書(YYYY年MM月DD日付)】に関し、追加・変更確認事項を定めることを目的とする。
第2条(確認事項)
甲乙は、以下の事項について合意し、相互に確認する。
【確認事項1:例 業務内容の追加変更】
【確認事項2:例 委託対価・支払期日の変更】
【確認事項3:例 納品期限の変更】
第3条(原契約との関係)
本覚書に定めのない事項については、原契約の定めに従うものとする。
本覚書の内容と原契約の内容が矛盾する場合、本覚書の内容が優先して適用されるものとする。
第4条(有効期間)
本覚書は、【YYYY年MM月DD日】から効力を有するものとする。
【締結年月日:YYYY年MM月DD日】
甲
住所:【所在地】
名称:【会社名】
代表者:【代表取締役〇〇 〇〇】 印
乙
住所:【所在地】
名称:【会社名】
代表者:【代表取締役〇〇 〇〇】 印
反社会的勢力排除(反社条項)テンプレート
企業のコンプライアンス(反社チェック・CSR対応)上、各種契約書内に必須となる反社会的勢力排除条項です。無催告での即時解除規定を含んでいます。
反社会的勢力排除条項(契約挿入用テンプレート)
第〇条(反社会的勢力の排除)
1. 甲および乙は、自己または自己の役員、従業員、株主、関係者が、暴力団、暴力団員、暴力団関係企業、総会屋、社会運動等標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団その他これらに準ずる反社会的勢力に該当しないこと、および将来にわたっても該当しないことを表明し、保証する。
2. 甲または乙は、相手方が前項に違反した場合、何らの催告を要することなく、直ちに本契約の全部または一部を解除することができる。
3. 前項に基づき契約を解除した場合、解除した当事者は相手方に対して生じた損害賠償責任を負わないものとし、違反した当事者は解除により生じた自らの損害を請求できないものとする。
個人情報取扱いに関する条項テンプレート
Web制作、顧客データ管理、システム保守など、顧客データの取り扱いを伴う業務委託契約書に挿入する安全管理・再委託制限条項です。
個人情報取扱いに関する条項(業務委託契約挿入用テンプレート)
第〇条(個人情報の取扱い)
1. 乙は、本業務に関連して個人情報または個人データを取り扱う場合、個人情報保護法その他関連法令およびガイドラインを遵守し、適切に管理しなければならない。
2. 乙は、個人情報について、漏えい、滅失、毀損、不正アクセス、目的外利用が生じないよう、必要かつ適切な安全管理措置を講じるものとする。
3. 乙は、甲の事前承諾なく、個人情報の取扱いの全部または一部を第三者に再委託してはならない。
4. 乙は、個人情報の漏えい等が発生し、またはそのおそれがあることを知った場合、直ちに甲に報告し、甲の指示に従い二次被害防止に必要な対応を行うものとする。
5. 契約終了後または甲の請求があった場合、乙は甲の指示に従い、受領した個人情報を速やかに返還、削除または安全に廃棄するものとする。
【AI活用】社名や日付を一括置換させるAIプロンプト
ChatGPTやGeminiなどの生成AIに以下のプロンプト(整形済みテキスト枠)を入力することで、カッコ内をご自身の社名や条件へ自動適用した契約書原稿を作成できます。
あなたは企業法務に精通した法務スペシャリストです。
以下の契約書テンプレートの【 】部分に、私の取引情報を当てはめて完成版の契約書を作成してください。
甲(開示者/発注者):〇〇株式会社
甲の住所:東京都〇〇区1-2-3
甲の代表者:代表取締役 〇〇 太郎
乙(受領者/受注者):△△株式会社
乙の住所:大阪府〇〇市4-5-6
乙の代表者:代表取締役 △△ 次郎
契約の目的:Webシステム共同開発に関する秘密情報の開示
有効期間:契約締結日から2年間(秘密保持義務は終了後3年間)
【以下の契約書テンプレートに情報を適用してください】
(※上のNDAテンプレート文面を貼り付け)
各法務テンプレートの重要ポイント解説
📌 実務で押さえるべき重要ポイント
- NDAの秘密情報の定義と存続期間(第2条・第6条): どこまでを秘密とするか、契約終了後も何年間義務が存続するか(一般的には2〜3年)を明確化
- 覚書の原契約優先ルール(第3条): 万が一原契約と覚書の内容が矛盾した場合、新しい「覚書」が優先される旨を明記
- 反社条項の無催告解除(第2項): 相手方が反社会的勢力と発覚した場合、催告なしで直ちに契約解除できる規定を確保
- 個人情報の再委託制限・事故報告(第3条・第4条): 許可なき再委託を禁止し、万が一の漏えい発生時の即時報告義務を担保
ご利用にあたっての注意事項(免責事項)
⚠️ 契約書利用前の必須確認事項
- 汎用テンプレートの位置付け: 本雛形は一般的なビジネス取引を想定して作成された汎用的なテンプレートです。
- 個別の取引リスクに応じた調整: 取引金額が高額な場合、独自の知的財産権の移転を伴う場合、損害賠償額の上限設定(キャップ)が必要な場合などは、取引内容に応じて条項を加筆・修正してください。
- 法的アドバイスおよび免責: 本テンプレートの掲載情報は正確性を期しておりますが、個別の法的意思決定に関する法的アドバイスを提供するものではありません。重大な取引や契約締結においては、弁護士・行政書士等の法務専門家への確認をお勧めいたします。本雛形の利用により生じた直接・間接の損害について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
まとめ
適切な法務テンプレートや条項を準備しておくことで、取引トラブルや情報漏えいのリスクを大幅に低減できます。
ぜひ本テンプレートおよびAIプロンプトを活用して、自社の契約実務にお役立てください!
